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生物多様性について(工事中)
1983年,入社試験の作文で, ΔG=ΔH−TΔS(ギブスのフリーエネルギー)
を用いて,職員採用における職員の多様性について論議した。 時期早々で,面接担当者の理解を得られなかった。これは,1960年代から言われてきた種の多様性で議論する階層より上位のコミュニティの多様性を熱力学的に表したもので,当時学生の間で流行っていた(ものすごく一部)。クラスに1〜2人くらいが,使っていたのかな。

今問題として取り上げるのは,生物多様性の危機である。
宇宙が生まれ,銀河ができて,地球ができたのは遙か昔のこと。そして,しばらくして,生命が生まれた。海から陸へ空へ,あっと言う間にいろいろな生命が地球上に充満してきた。どの本にもこのようなことがかかれている。
そして,ジュラシックパークで有名になった(?)恐竜の時代があって,いつの間にか突然,絶滅の事件が起きた。原因はいろいろ噂されているが定説はないらしい。この時,ものすごい数の種類の生物が世の中から消えて,一時的に生物多様性が失われた。その後も,生物多様性を増大させてきたとの考え方が一般的であろうか。
ところが,このところ,人間の経済活動が,飛躍的に拡大するのに比例して,生物多様性も飛躍的に減少している。よく絶滅の危機にひんしていて有名な生物で,「トキ」,「カブトガニ」,「パンダ」等がマスコミを通じて浸透している。特定の有名な種のみを取り上げて騒ぐのは,自然保護団体や環境保護団体にとって,分かりやすい運動であるし,住民の理解を得やすい。優れた方法でもある。しかし,名も知られない生物の絶滅の危機を加えて認知させる活動も必要であり,取り組む力強さが感じにくいような気もしている。
絶滅危惧種や,指標生物などを多くの人々に宣伝して,全国的に調査することで成果を上げている政府の取り組みも見逃せない。
レッドデータブックは,たくさん売れているそうだ。時代の流れが変わりつつある。
生物多様性を守るため,特定の種類の生物を守ることに力が注がれがちだが,その生息環境を含めた広い区域の保全が必要であろう。
生態系の構造を考えてみると,遺伝子--種--生物群集--景観という階層性が存在している。

さて,生物多様性が保たれることによる,価値は何か? 参考文献等によれば,下記のとおりである。

●直接的価値
    (1)消費的使用価値---市場を経ることなく,直接消費される生物資源の価値。食料・燃料・医薬品等で利用されている。主に発展途上国の人々の生活に欠かせない。日本でも,民間薬やキノコ,観賞用として,山から採取してくる。山が荒れてきて,これらの資源が乏しくなった。
    (2)生産的使用価値---市場を経て使用される,自然資源の価値。木材が代表的。経済的な価値が分かりやすいので評価しやすい。
●間接的価値
    (1)非消費的使用価値---消費されないが,人の利用に供され,尊重されているもの。バードウォッチング。森林浴。等
    (2)予備的使用価値---将来の潜在的利用のために残しておく,生物資源の価値。遺伝子資源の確保。(私個人的に,この価値が一番重要視されるべきではと思っている。)
    (3)存在価値---倫理的立場から支持される,非使用的価値。コスト(人間中心の)を越えたもの。 人が,自然界の中心ではなく,一部であり,全ての生命は尊厳を持って考えられるべきであるとの思想。種・生態系・景観に生存の権利【自然の生存権】を認めるべきであるとする主張。(環境倫理学)

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