知る   中之条町について,いろいろと知ってみよう
自然史
中之条町の河岸段丘
左奥の山が小野子山系
右奥の山が榛名山系
中央を流れる川が吾妻川
その手前が伊勢町面
 中之条町は,中之条盆地の中にあり,古中之条湖の堆積物や,美しい河岸段丘が見られます。
中之条町は,北西部は三国連峰の山地が連なり,南部は榛名山,東部は小野子山に囲まれて,盆地になっている。盆地の中心を吾妻川が流れ,その川に山田川・名久田川が流れ込んでいる。この川の流域には河岸段丘が見られる。
古中之条湖は,数十万年前に形成された。その起源については,(1)断層で落ちこんだところに湖ができる構造湖,(2)榛名火山の噴火による堰止め湖,の2つが考えられている。湖が最大になった頃,長径18km,深さが210mあったと推測されている。
その後,河川による侵食が進み,河岸段丘を形成した。上層から順に,蓑原面,成田面,中之条面,伊勢町面が現在も見られる。この段丘内に珍しい堆積物が見られる。泥流堆積物の泥流丘が,中之条面に形成されている。その形はちょうど,古墳の様であるが,中身は火山弾,火山砂,ロームである。
第三紀の頃,折田地区のあたりは,海底にあり,魚類化石の宝庫である。サバやイワシ,二枚貝などが,出土している。(中之条に行ってんべえの作者も20数年前にイワシのうろこ化石や10cm弱の二枚貝を採取した。) 折田地内の河川沿いを探索するモデルコースを紹介する本がある。

四万温泉は有名であるが,この温泉の近くに火山は見当たらない。この地域には,変質した岩石が露出していることから地下に四万岩体と呼ばれる深成岩石が存在する。この岩石が地下で冷えるときの熱がまだ残っていて温泉の熱源になっていると思われる。石英閃緑岩が分布し,水晶が産出する。

参考文献: 中之条町誌, 群馬のおいたちをたずねて(上毛新聞社), 群馬の地質をめぐって(築地書館)
 


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